7月7日(土)盛岡市にある岩手大学で、震災関連のボランティア教員
として授業を実施した。以下は、その報告とお礼のため、関係者に
宛てたメールである。実名は、○○に置き換えている。
(以下、メール)
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7月7日(土)に「絆・仲間作り」というテーマの授業を
担当させていただいた上越教育大学の田島です。
いろいろとご面倒をおかけしましたが、しっかりと準備して
いただき、また当日も温かくサポートしていただき、
心から感謝申し上げます。
当日は、なぜか時間をよく間違えて、準備したものとは
どんどん変わっていったのですが、結果的に学生にとって
一番いい授業になったのではないかと思っています。
当初の計画では、以下のようにグループ活動を想定して
いましたが、結局全体での活動だけとなり、最後に、
参加した学生全員の感想を聞く事となりました。
(授業の概要)
「コミュニケーションにおける笑いの大切さを知り、それを活用
した「絆・仲間作り」の手段としての「笑いヨガ(ラフターヨガ)」
を知るとともに実際に体験してみる。そして、地域貢献に重要
な役割を果たしているボランティア団体の「笑いクラブ(ラフター
クラブ)」の活動について、その中核的な存在である笑いヨガ
リーダー・ティーチャーの話を聞いた後、笑いクラブ等で
「絆・仲間作り」のために必要なリーダーシップについて
グループに分かれて一緒に話し合いを行うことによって、
ボランティア活動におけるリーダーシップについての理解を
深めるとともに、そのために重要な役割を果たす「笑い」の
スキルを修得する。」
当日は、地元の一関、仙台、秋田から笑いヨガの仲間が6名
ボランティアで駆けつけてくれ、彼等のアイデアも加わって、
後になればなるほどどんどんいい雰囲気になっていきました。
(当初は、学生が笑いヨガに対して引いているのがわかり、
最近ではめずらしく緊張していました。)
笑いヨガを体験したあとに、笑いヨガの仲間が一人一人
自分の体験について話をしてくれたのですが、中には、
家をすべて流された方などもいて、みなさん苦しみや喜び
について本音で語ってくれたので、その後に話してくれた
学生さんたちもそれぞれ心を開いた発言が続き、聞いて
いた私たちもとても感動しました。
そして人とのコミュニケーションや自分の生き方について
苦しみ悩んでいる学生が多いことを知る機会にもなりました。
「これから私は変わりたいと思います」などと言ってくれて、
固い握手を交わしてお別れをした学生も何人かいました。
本当に授業をやってよかったと思えた瞬間でした。
今は、受講してくれた学生さんたちが、それぞれに無理なく
成長していってくれることを心から願っています。
授業の後、○○先生、○○先生にご案内いただいたおそば
の専門店には、5名の仲間も参加し、全員そば尽くしの料理
に大変満足するとともに、授業での感動を分かち合う事が
できました。たまたま居合わせた学生さん達のわんこそば
の競争?にも立ち会う事ができ、とてのラッキーでした。
次の日は、名取市の閖上(ゆりあげ)地区に住んでいて、
家をすべて流され、親戚も多く亡くなられた笑いヨガの仲間
の案内で、その方の家の跡地、NHKスペシャルでも
放送された閖上のいくつかのポイントを案内して
いただきました。被災地を訪ねたのは今回が初めてで
その被害の甚大さは、やはりその地に立ってみないと
実感できない事がよく分かりました。特に屋上まで
たどり着けなくて多くの方が命を落とした中学校では
その悲しみが伝わってきて、自然に涙が溢れてきました。
教室の中には、教科書や鞄などが被災当時のままか
あるいはアレンジしたものなのかは不明でしたが多く
残っていました。
また、子どもの犠牲者が出なかった小学校の体育館
には、一面に遺留品が置かれていて、ここにも当時の
記憶がたくさんとどめられていました。やはりあつい
ものがこみ上げてきて涙が流れました。
ただ、救いだったのは、その小学校の屋上で行われて
いた閖上太鼓の練習で、元気な太鼓の音を聞けたこと
でした。人間のたくましさ、生き抜こうとする力のような
ものを感じることができました。
ふと、人類の歴史の中には、非常に多くの災害、人災
などによる苦難があり、そこからの人類は何度も立ち
直って生き延びてきたのだという事に気づきました。
そして、今自分が生きている事、それ自体の有り難さ、
奇跡があるのだと思いました。
被災地の様々なポイントを訪れて、その場に立ち、
その現実を知り、自らの無力を痛感しつつも、未来に
向けての精一杯の祈りを捧げることを通じて、今回
実施させていただいた教員ボランティアの意義について
の理解を多少なりとも深める事ができたのではないか
と思っています。
このような機会を与えてくださった事に対して、心から
感謝申し上げます。
ありがとうございました。
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